2011.05.05     カテゴリ:  未分類 

   オウギグモ

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ウズグモ科オウギグモ属オウギグモ Hyptiotes affinis

2010/12 神奈川県 Olympus E-620

さてオウギグモです。

日本以外には台湾、中国、韓国に分布している本種。
非常にユニークな姿をしていますが、もっと面白いのが狩りの仕方。

未だ写真を撮れずにいるのが悔しくてしょうがないのですが、この糸で手繰り寄せている先には三角形の網があり、円網から変化していったものと言われています(マネキグモの条網は更に簡略化したもの)。

マネキグモはそうしてこの三角形の網から伸びている一本の糸をどんどん引っ張り、大体の場合が後脚で後の準備のために枝と体との余裕を持たせるため糸を伸ばし、2枚目の写真のように枝などに体をセットして待機します。

そして獲物が掛かった瞬間、オウギグモは糸は持ったまま枝から体を離し、三角形の網を崩れさせて獲物を完璧に捕えます。

更に、ウズグモ科は蜘蛛下目の中で唯一毒腺の無いグループなので(二次的に失ったらしい)、必要以上に獲物を巻き付け完全に身動きを封じ込めてしまいます。

この一連の動作がほんとに凄く(一瞬ですが・・・)、観察対象として実に飽きません。

しかし、ここで疑問が生じる人も少なくないと思います。必要以上のラッピング(糸で獲物を巻くこと)は毒腺がなくなったからすることなのか。それとも、もともとラッピングをかなり念入りにするグループだったから毒腺をあまり使わずに済ませてしまうようになったのか。

ウズグモ科はその一つの科の中で通常のウズグモ類の隠れ帯の付いた円網や、本種のような三角形型の網、マネキグモのような条網(疏糸という糸で数本張られている網の事。一本の糸を基に数本の糸が出ているために獲物が絡みやすい。)など網の種類が多岐にわたっている。
これをどう捉えるかで考え方はだいぶ違ってくると思う。まあ結局は上の疑問の堂々巡りになるのだけど。。

僕個人としては毒腺の二次的退化が主要な要因になったのではないかと考えています。

始めに毒腺の形成に必要な遺伝子に不具合が生じた、又は欠損した個体が出現してそれが固定化される。
すると今まである程度のラッピングで済んでいたのが異常なまでの念入りなラッピングに変化していく。
そしてそれを補うかのようにより効率的且つ確実に獲物を捕えるために網の張り方が変わる。
今度はその方法を省エネ化するために条網のようなタイプの網を張るグループの出現。
といった具合なのではないかなぁと。

ただ、もう一つの見方として師板の有無というのもある。
普通、良く見るコガネグモの円網には小さな粘球が存在し、それが獲物を確実に捕獲するための手口となっている(こう書くと詐欺みたいだ笑)。
しかし、一方にはそうした粘球を使わないグループもいる。
これがウズグモ科やなんかなのです。
師板と言うのは糸疣の前疣にある特殊な出糸器官で、ここから出る糸をウズグモ科なんかがもっている大四脚の毛櫛と呼ばれる先端の曲がった毛束を用いて疏糸を出しているのです。(一枚目の写真でちょっと分かるかも)

これがあったことにより網の構造変化が起きて結果的に毒腺の二次的退化に繋がったとも考えられます。

個人的にはさっきも書いたように毒腺の退化が先かなぁと思うのですが、、

今のところは神のみぞ知る感じなんですかねぇ。。
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