2011.07.16     カテゴリ:  未分類 

   ササキハシリグモ

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キシダグモ科ハシリグモ属ササキハシリグモ Dolomedes zatsun

2011/7 Olympus E-510

ということで満を持してのササキハシリグモです。ここで恐らくファンが少なくとも1億人くらいはできたことかと思います。

えぇ、無理はありませんよ。このフォルム、色彩、眼域から上顎上部に至るまでの台形の黒い紋、及びそこにのっかった前中・前側眼。腹部には両サイドにズバッと切れ込む黒い帯。そしてソフトで上品な枯葉色の質感、そして後側眼から伸びる黒の帯・・・(ry
言っていたらキリがありません笑

今現在沖縄のヤンバルの一部の沢でしか見つかっておらず、日本産クモ類によると雌雄1個体ずつしか採集されておらず、雄は飼育しての記録だとか。
原記載を見ると雄と雌は模様ではそう違わず、やはり他のクモ同様体格や体に対する脚の長さなどが違うみたいです。当初マッドさんから頂いた時、一匹の体型がもしや雄!!?という感じだったのですが、お腹一杯食わせてみたら見事に雌でした。

さて、我が家にきて早々感じたことは「Pisauraっぽい!!」だったのですが、よくよくちゃんと観察してみると
目の配列やら外雌器の形状やらもろにDolomedesでした。

恐らく表面の毛の質感や上でも書いた眼域下部の黒い模様なんかがそう見させていたのだと思います。
師匠も言っていましたがアズマキシダとイオウイロを足して2で割ったような感じです。



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眼に注目して見てみると前中眼と前側眼においては前中眼の方がやや大きく、中眼域(真ん中の2列の事です)の長さ<幅となっているのでDolomedesらしい感じですね(実はここも勘違いしていた恥)。
オオハシリグモ Dolomedes orion なんかは中眼域の長さが結構あるので、それと比べると色彩も相まってちょっと優しい感じ?に見えます。(というかあいつ(雌)は眼域が黒地にオレンジの毛が乗っかってるから怖いのかもしれない笑)


後は南西諸島のでかいハシリグモは夏に産卵するのでそれ目当てで暫く飼育します。そして幼体からの記録を付けようという算段です。雄もいっぱいサンプル取って撮影もしてという具合にできればなぁと。
ちなみにこやつら、他のハシリグモより腹部が縦にでかいんでかなり大きく見えるのでかなりボリューミーです笑
ほんと産卵してくれないかなー(切実


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雄は他の蜘蛛でもよくあるのですが、所謂時期物の可能性が高く野外で見かけることは結構難しいかもしれません。恐らく6月中旬~下旬(もしくは7月上旬)くらいまでしか見られないのでは・・・と。時期物はそれを逃すとまた次の年なので難しいのです。ハシリグモはだいたい2~3年生きるのですが、成熟して越冬するわけではないようなのでこやつもその可能性が大きいです。

なぜ見つかりにくいのかはよく分かりませんが、たぶんヤンバルや奄美に居るオオハシリとは棲み分けをしていて、沢そのものよりもその周囲のリター上を徘徊しているからではないかと思っています。色彩的にも脚の長さ的にもそちらの方が合点がいきますし、見つかりにくいのも頷けます。オオハシリみたく目立つ場所にいればもっと見つかると思いますし。。だからこっちでいうところのイオウイロやアズマキシダ的な感じで動き回ってるのではないのかなぁなんて妄想をしてます。



最後に。


ハシリグモは3爪類といって他の網を張るような蜘蛛と同じで2爪類(ハエトリなど)のような末端毛束を持っていないのでこうしたツルツルしたものは上手く歩けないし登れないのです。だから野外で観察する際や家で撮影する際なんかはこうしたバットで行うと逃げられる心配がないのでうってつけです。タランチュラは別な方法でこうした面でも登ることができるので通用しませんが。。


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しかし白バックの似合うクモだなぁ。。
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うん!これは良いクモだね!90億人くらいファンが出来るよ!

沖縄にいたころはオリオンばっか目に付いたけど、思い起こせばこういった色彩のハシリグモも居たような…そこまで限定的な分布をしておるとは思えないので、標本数が少ないのも、やはり注目して探す人が少ないのが要因な気がしますね。
化野さん

金星辺りの人までカウントされていそうですねw

>思い起こせば
ほえぇ。今のところに西銘岳山麓の一部と種小名にもなってるとこだけらしいのですが、似たような環境があれば他でもいるとは思います。が、しかし、厄介なのはハシリグモは最近記載された(と言っても2年前ですが)スジボソハシリグモやババハシリグモという2種がおりまして、こやつらが凄く限定的な環境にいるという前例があるのです。
なのでもしかしたらザツンのように凄く閉鎖的で細い沢などにしかいないということが考えられます。
6月に似たような環境を片っ端から調査すると分布の仕方が見えてきて面白そうです。 もちろんそれ以外の沢もやった上で。。

mixiの方でもコメントの方でちょろっと書いたんですが、やっぱりこういうのに着目して見る方が少ないというのが一番大きいのでしょうね。どの世界でも。

でもその分フロンティア精神が燃えたぎるので良いですね!




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2010年2月~10月 お借りしていたOlympus E-500
2010年11月~妻のOlympus E-620を共同で。
2011年4月 先輩からE-510を格安で購入。
2013年5月 E-30。
2014年6月 Canon 70D



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